
こんにちは。元養護教諭のゆまとです。
※追記:2023年3月末で公立養護教諭を退職しました。
養護教諭の仕事が好きで、育休復帰してもフルタイムで続けていました。
しかし、思った以上に育児と仕事の両立が厳しく、2023年3月をもって退職します。
- 祖父母は簡単に頼れない状況
- 長男に登園しぶりあり
- 長男が来年から小学生
このような状況から、フルタイムで養護教諭を続けていくことに限界を感じ、退職を決意しました。
養護教諭の仕事がなぜきついのか。理由を一言で表すと?


真剣に考えました。
学校の中でワンオペ状態だから
小学校養護教諭の忙しい時期とは、こんな感じ。
- 朝は登校しぶりの児童対応
- 度々、私宛に電話が鳴る
- 健康診断の準備、実施
- 合間にけが人、病人対応
- 事務的な仕事中に、コンスタントに児童来室
- 休み時間はけが人の対応
- 時には病院引率
- 休憩時間はほぼない
- トイレも行けない日もある
- 給食中に呼び出される
- 事務的な仕事は児童が下校してから(すでに15時・16時)
好きな仕事だから続けられますが、結構ハードです。
小中高の校種によって忙しさは様々で、悩むことも様々です。
あと学校の規模(児童生徒数)によっても違いがあります。
養護教諭の1日のスケジュールとは?


養護教諭の1日のスケジュールを紹介。
朝保育園に子どもを送ってから出勤します。
- 8:05 出勤
- 始業前 健康観察表忘れの対応(検温)、水質検査、換気
- 1時間目 健康観察の集計、管理職へ報告、校内巡視
- 2時間目 事務的な仕事or健康診断などの保健行事
- 休み時間 保健委員会の児童対応、けが人・病人の対応
- 3・4時間目 事務的な仕事
- 給食 15分で急ぎ目に食べる(途中呼び出されることも)
- 掃除 保健室掃除担当の児童と掃除
- 休み時間 けが人・病人対応、早退対応、病院引率など
- 5・6時間目 事務的な仕事
- 下校後 会議や出張、残業
- 17:30 退勤、急いで保育園へ迎え
こんな1日を送っていました。
病院引率は養護教諭が行くことが多いので、病院受診があると1~3時間は引率に時間がかかります。



私が休んでしまうと保健室は閉鎖になってしまいます。職員室で対応はしてもらえますが、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
養護教諭の仕事がきつい12の理由
①学校に一人(二人)しかいない。
小学校を例にすると、児童数が850人以下であれば養護教諭は一人です。
自治体の加配がある場合もありますが、大抵は一人です。
すると、一人で抱える仕事が多く、共有ができないのできついです。



大規模校・中規模校で勤務経験がありますが、どの規模でも大変でした。
②孤独である。
学校に一人しかいないため、保健関係で相談をしたい時にすぐに相談できる人がいません。
管理職も「保健関係のことはちょっと分からないな…」なんてことはたくさんあります。
そのため、困ったら近隣の学校の養護教諭に電話をかけて相談する必要があります。



こんなことで電話していいのかな…と躊躇することもあったりしました。
③楽な仕事だと思われがち。
学校に一人しかいないため、養護教諭の仕事内容を理解できる人は少数です。
すると、養護教諭はどんな仕事をしているのか分からないため、人によっては「暇なの?」「普段何しているの?」と誤解します。



「暇そう」と言われ、思われ、悔しい思いをしたこともありました。
④責任が重い。
養護教諭の職務の一つに「救急処置」があります。
子どもがけがをした時、体調が悪くなった時に救急処置をするのは養護教諭の仕事です。
とても大切な職務だからこそ、判断を間違えると大変なことになり、責任がとても重いと感じます。
だからこそ、やりがいがある仕事なのですが、ヒヤヒヤすることもあります。
⑤休みにくい。
教員も同じだと思うのですが、休みにくいです。
特に、行事のある日は休めません。
養護教諭が休むと保健室が閉鎖になりますよね。
よっぽどのことがないと休めません。



育児をするようになり、子どもの発熱で休むことが増え、さらに申し訳なさを感じていました。
⑥宿泊行事の引率が毎年ある。
中学校に勤務していた時は(コロナ前)、1学期だけで「宿泊学習」「キャンプ」「修学旅行」の3つの引率があり、とてもハードでした。
今は厳選され、行事が短縮傾向にありますが、宿泊行事自体はなくならないですよね。
育児中の宿泊行事引率は、さらにきつかったです。



夫に子育てを託し、ハードな宿泊行事の引率をしていました。
⑦事務的な仕事が多い。
あまり表には出ませんが、養護教諭は事務的な仕事が多く、報告書関係も多いです。
しかし、児童が在校中は、事務的な仕事を集中してできる時間は少なかったです。
学校の規模や校種によって多少違いますが、私は児童が下校してから集中して行っていました。
⑧残業が多い。
特に、4月~6月は健康診断の時期で1年の中でも1番忙しい時期です。
やってもやっても終わらない。
独身の頃は、平気で20時まで(それ以上)残業していました。
教員界隈では、20時なんて早いと言われそうですが、肩こりが半端なかったです。



残業がしにくくなった育児中は、休日に仕事に行ったりもしていました。良くないルーティン。
⑨トイレに行くタイミングがない。
中規模の小学校で働いていた時、トイレに行くタイミングを逃すくらい忙しくしていました。
トイレに行こうと思ったタイミングで、けが人対応・早退対応・病院引率などなど。
よく小学校の担任がトイレに行くタイミングがないと言いますが、案外養護教諭にも起こっていました。
⑩必ず異動がある。
公立の話ですが、何年に1回必ず異動があります。
希望できる時もあれば、突然異動なんてこともあります。



異動は本当にきついです。勤務校のことよく分からないまま、ドタバタな4月が始まってしまいます。
異動は2回経験しましたが、どの異動もきつかったですね。
当たり前ですが、知り合いの先生がいない状態で4月が始まるので多方面に気を使い、疲れました。
⑪保護者からのクレームがある。
何年も働いていると保護者からのクレームがあります。
- けがの対応についてのクレーム
- 子どもの対応の仕方についてのクレーム
自分は丁寧に対応していたつもりでも、捉え方によってクレームになることも。
あまりに理不尽なクレームだと精神的にきついです。



クレームで精神的に落ち込んだ時期もありましたよ。
⑫育児と仕事の両立ができない。
今は養護教諭でも「時短勤務」や「部分休業」が取得しやすくなりました。
私は育児との両立を安易に考え、フルタイム復帰しましたが、撃沈です。
育児との両立はできませんでした。



仕事量が膨大で、目標の退勤時間に仕事が終わることはほぼありませんでした。
自宅で仕事をするか、休日に学校へ行き仕事をするかしないと回りませんでした。
護教諭の仕事がきつい!を改善するために考えたいこと。
何がきついのか具体的に考え改善策を考える。
私が特にきついと感じていたことは、
- 事務的な仕事が多く、残業が必須であること。
- 休みたい時に休みにくいこと。
改善するためにできること、
- 本当に必要な仕事なのか?考えて仕事に優先順位をつける。
- こだわるポイントを間違えていないか?考えて仕事をする。
残業を減らすためにはどうする?
- どんな仕事にどのくらい時間がかかっているのか把握する。
- 周りに合わせて残業していないか?振り返る。
「休みにくい」を改善するためにはどうする?
休みにくい理由は、保健室を閉鎖して他の先生に負担をかけることが嫌だからです。
とはいえ、休んだり出張で不在にすることもあるため、
- 保健室をどの先生でも使えるように日頃から整理し、物品を分かりやすく配置する。
- 日頃から他の先生のフォローを積極的にする。
不在にしても、困らないような環境にすることはできそうですね。
それでもきつい時は?
- 管理職に相談する。
- 育児中のママなら、時短勤務や部分休業が取得できないか管理職に掛け合ってみる。
- 異動を視野に入れる。
- 退職や転職も視野に入れる。
【養護教諭の仕事がきつい12の理由】まとめ


一度の人生なので、後悔しない選択をしたいですね。
養護教諭の仕事はきついですが、もちろんやりがいもあります。



定年まで働くつもりで養護教諭として働いてきましたが、私は育児との両立に悩み、退職を選択しました。
正規ではなくなりますが、講師としてなら現場に戻るチャンスはあると思っています。
また、現場に戻りたいと思うようになったら真剣に考えようと思います。
かわいい子どもたちのために、自分が身体を壊さない程度にやっていきましょう。
現場の先生方を心より応援しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。